全国対応新規相談予約ダイヤル
0120-920-746
平日9:00~18:00

2024年6月25日

「実際は『人身事故』だったが、警察には『物損事故』として届け出られている」

交通事故事件でこのようなケースに遭遇することがあります。

当初は軽傷と思っていた、加害者から物損事故として届け出るように頼まれたなど、理由は多岐にわたります。このような届出が交通事故被害者にとってのちのち不利益になりうることをご存じでしょうか。

人身事故の届出があると、警察は実況見分調書を作成します。

これは、事故状況を証明する有力な証拠となり、また、事故によって被害者が負傷したことを裏付ける資料にもなります。

他方、物損事故として届け出ると、実況見分調書や人身事故届といった、本来であれば被害者に有利な証拠になり得た資料が欠けてしまいます。そのため、たとえば物損事故として届け出た後しばらく経ってから、加害者が過失割合を争ってきたり、「この程度の事故でけがをするはずはない。」などとして人身事故でないと主張してきた場合に不利益になることが考えられます。

物損事故として届け出た事故について後から人身事故に切り替えることも可能ですが、事故直後に届け出た場合に比べると、警察の動きが悪くなることもあり得ます。

このような不利益を被らないためにも、人身事故に遭った場合は、すぐに警察に人身事故として届け出られた方がよいでしょう。

【著者情報】

企業法務部 部長 東京弁護士会(弁護士登録番号:47893)

獨協大学法務研究科(法科大学院) 修了

2013年より現在弁護士法人グレイスで勤務

プロフィールはこちら>>