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医療過誤の流れ

医療過誤の流れ

0. 証拠保全

裁判所を介する手続です。カルテ等が医療機関によって改ざんされるおそれ等がある場合、裁判所に証拠保全の申立てを行い、弁護士が裁判官や裁判所の職員とともに医療機関に赴きます。その場で、医療機関が保管しているカルテ等の開示を求め、撮影したりコピーを取ります。証拠保全の連絡が医療機関にされるのは、医療機関に赴く当日ですので、カルテ等を改ざんされるおそれは少なくなります。もっとも、全件で証拠保全の手続を行うわけではありません。改ざんのおそれが高かったり、医療機関がカルテ等の任意の開示に応じない場合に行います。証拠保全の弁護士費用はこちら

1. 医療調査

弁護士が、カルテ等の医療記録を取り付け、医学文献や、顧問医の意見を参考に、医療機関に法的責任の追及が可能か(損害賠償請求が可能か)、すなわち過誤があったのか調査します。

医療調査の詳細は、こちらをご参照ください。
また、医療調査の弁護士費用はこちら。調査の期間は3ヶ月ほど頂いておりますが、この調査は後の交渉、訴訟の結果に大きく影響しますので、慎重に進める必要があります。そのため、3ヶ月以上のお時間を頂くこともございます。

2. 交渉開始

医療調査の結果、医療機関に過誤があり、法的責任を追及できる可能性があるとなった場合、まずは、医療機関に対する損害賠償の交渉を開始することになります。医療機関は、過失を認めないことが少なくありませんので、被害者側が交渉段階においても、医療機関の過失を立証する証拠を提示していく必要があります。また、医療過誤により被害者が被った被害を、被害者側で損害として算定する必要があります。通院や入院したことに対する慰謝料、後遺症が残存したことに対する慰謝料を弁護士が資料を集めて算定します。また、後遺症が残存した場合、その後遺症の存在を医学的に立証する必要があります。単に医師に診断書を書いてもらったからといって、それだけで相手方の医療機関が後遺症の残存を認めることはほとんどありません。医師が後遺症について診断書を書いてくれた場合、その内容を裏付ける医学的な根拠等も集める必要があるのです。後遺症の存在を立証するための資料は、弁護士がアドバイスをしますし、多くの場合、弁護士が被害者に代わって収集します。交渉の弁護士費用はこちら

3. 医療機関と示談成立

交渉の結果、双方が賠償金の金額について合意できれば、示談成立となります。示談書を取り交わした後、医療機関から賠償金が支払われます。交渉で示談を成立させることができた場合、事件終結までの期間は最も短くなるのが一般的です。

4. 訴訟提起

交渉で双方が合意できなかった場合、訴訟を提起し、裁判所に医療過誤があったか、あったとした場合、どれほどの損害が被害者に発生しているか決めてもらうことになります。

訴訟は次のような流れになります。

なお、医療過誤の場合、訴訟を提起してから、判決まで2年近くかかることが多いです。裁判所の統計でも、令和2年の医療関係訴訟の平均審理期間は約2年とされています。通常訴訟の平均審理期間が9.9ヶ月とされていますので(令和1年の統計)、医療関係訴訟は通常の民事裁判よりも時間がかかることは明らかです。

(1)被害者が訴状提出(訴え提起)

訴状を裁判所に提出します。訴状には、医療機関の過失を基礎づける事実、被害者に発生した後遺症や死亡という結果に伴う損害、過失と結果の因果関係を基礎づける事実等を記載します。また、訴状を裁判所に提出する際には、訴状の内容を立証する証拠書類の写しを添付します。

(2)初回期日の決定

訴状提出後、訴状の内容に訂正等がなければ、1ヶ月から1ヶ月半後くらいに初回期日が開かれます。

(3)初回期日

初回の期日までに、被告(医療機関側)から答弁書が提出されます。答弁書とは、訴状の「請求の趣旨」に対する回答が記載された書類で、「原告(患者側)の請求を棄却する との判決を求める。」と記載されるのが一般的です。また、初回期日には被告(医療機関側)は、答弁書のみを提出して、出頭しないことが多いです。

(4)第2回期日以降

第2回期日には、被告(医療機関側)から、訴状に対する具体的な認否・反論を記載した準備書面が提出されるのが一般的です。その後は、1ヶ月から3ヶ月に一回くらいの頻度で期日が開かれ、原告(患者側)、被告(医療機関側)がそれぞれの主張を記載した準備書面を提出します。その際には、準備書面の内容を立証する証拠(診療記録 医師の意見書 医学文献等)も提出します。このような手続を何度か行い、双方の主張の食い違い(争点)を明らかにしていきます。医療過誤訴訟の場合、第2回期日からは弁論準備手続に付され、通常の法廷ではなく、ラウンドテーブル法廷という会議室のような法廷で期日が行われることが多いです。また、一般的な訴訟では、期日は1ヶ月から1ヶ月半くらい間隔で開かれますが、医療過誤訴訟では、証拠が専門的かつ分量が多いケースが多く、準備に時間がかかります。そのため、期日の間隔が3ヶ月くらいになることもあります。

(5)証拠調べ(本人尋問、証人尋問)

(4)でご説明した期日を何度か経て、争点が明らかになった後は、その争点について証拠調べ(本人尋問、証人尋問)を行います。法廷ドラマ等で、弁護士が証言台に立った証人に質問しているシーンがよく出てきますが、まさにそれです。医療過誤では、治療に当たった医師や看護師、患者ご本人、患者のご家族が本人または証人として、尋問が行われることが多いです。また、協力医の尋問が行われることもあります。

(6)鑑定

鑑定とは、裁判所が選任する中立な専門家に、専門的知識に基づく意見を求める手続です。医療訴訟では、その分野の専門医に裁判所が鑑定を依頼することになります。この鑑定には費用がかかります。鑑定の申立てをした側が負担することになりますが、費用は数十万円から100万円をこえることもあります。全案件で鑑定が行われるわけではありません。

(7)判決

原告(患者側)、被告(医療機関側)双方の主張・立証が終わり、証拠調べ(本人・証人尋問)を終えると、審理としては終了です。双方の言い分、証拠調べ(本人・証人尋問)の結果等をふまえて、裁判所が判決を言い渡します。判決の言い渡しは審理が終了してから、1~3ヶ月ほどかかります。医療過誤訴訟の場合は、3ヶ月ほどかかることが多いです。

(8)上訴

判決の結果に不服がある場合、高等裁判所に不服申し立てをすることができます。これを控訴といいます。控訴は、判決が送達されてから2週間以内に、控訴状を一審の判決をした裁判所に提出して行います。

5. 訴訟上の和解

訴訟中に裁判所から、和解の打診をされることがあります。時期としては、証拠調べ(本人尋問、証人尋問)の前が多いようです。ただ、判決前であれば、いつでも和解は可能ですので、尋問が終わった後、当日中に裁判所から和解の打診をされることもあります。裁判所が提示する和解案は、その時点での裁判所の心証に基づいて作成されることが多いです。そのため、和解案が提示された段階で、ある程度、その審級での訴訟の見通しを立てることできます。和解に応じるかどうかは、一審の見通し、一審で不本意な結果に終わった場合の控訴審での巻き返しの見通し等も踏まえて検討する必要があります。訴訟上の和解が成立した場合、その効力は、判決と変わりません。和解調書という書面が作成されますが、この和解調書に基づいて強制執行も可能です。和解は、双方が譲歩して成立させることが原則ですので、被害者側の請求が100パーセント認められることは原則としてありません。もっとも、和解が成立すれば、早期に事件が解決しますし、上訴されることもありませんので、和解成立後早期に和解金(賠償金)を受領することが可能となります。

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