全国対応新規相談予約ダイヤル
0120-920-746
平日9:00~18:00

医療過誤と賠償金

1. 慰謝料について

慰謝料には、交通事故と同じように入院通院したことに対する慰謝料(入通院慰謝料)、後遺症が残存したことに対する慰謝料(後遺症慰謝料)、亡くなったことに対する慰謝料(死亡慰謝料)があります。算定の仕方は、交通事故と同じで、交通事故の慰謝料算定に用いられるいわゆる「赤い本」の基準が医療過誤でも利用されます。

もっとも、医療過誤では、医師を信頼していたにもかかわらず、その信頼を裏切られて悪しき結果が発生してしまったという事情があるのに対し、交通事故は偶然、他人から危害を加えられたという事情があり、事件の性質が異なっています。そのため、医療過誤では、信頼を裏切られた分、慰謝料を交通事故の場合と比べて増額すべきという考えもあります。この考え方と似た構成の裁判例として、東京地裁平成18年7月26日判決があり、「患者には損害の客観的態様に基づく精神的苦痛に加えて、医師に対する信頼を裏切られたことによる精神的苦痛が生ずるものと考えられる。したがって、医師の注意義務違反の内容と程度及び患者側の受けた損害の内容と程度によっては、患者側の精神的苦痛に対する慰謝料の額が交通事故等の場合よりも高額になる場合があり得る」と判示しています。

ただ、医療事故が交通事故の場合よりも精神的苦痛が大きいということは一般化できないという考えが現在は主流であると考えられます。慰謝料の金額は、一定の基準はあるものの、具体的な事案に応じ、過失の内容や程度、被害者の年齢、家族の構成等を考慮して判断するのが、裁判例の傾向です。

2. 逸失利益について

医療過誤でいうところの逸失利益とは、被害者が亡くなった場合は、被害者が死亡しなければ将来得ることができたであろう金額、後遺症が残存した場合には、後遺症残存によって労働能力が減少し、そのために将来発生するであろう収入の減額分の金額のことをいいます。

交通事故の場合も、逸失利益の賠償は認められますし、被害者が就労していた場合は、事故前の年収を基準にこの逸失利益を算定することが原則となります。

しかし、医療過誤の場合、被害者の方は、元々、何らかの疾患で治療を受けており、過誤が発生する前に仕事から離れていたという方も多いです。また、過誤が発生する前から障害をお持ちであったということも少なくないです。過誤発生前から、就労が難しい状態であり、将来的にも就労の可能性が認めにくい場合は、逸失利益の算定は難しくなります(年金等の逸失利益は別です)。また、過誤発生前から、障害をもっており、過誤によりその障害が更に重くなったという場合は、過誤前と比べて重くなった分の逸失利益を認定するのが多くの裁判例となっています。

3. 医療過誤の損害の算定について

医療過誤の損害算定方法は、交通事故の損害算定の仕方と同じ基準が用いられますが、上記のように医療過誤特有の問題点もあります。

医療機関と交渉したり、訴訟を提起する前には、損害がどの程度認められるのかという点についてもしっかり見通しを立てる必要があります。

特に訴訟提起する場合は、裁判所に印紙代を納める必要がありますが、これは相手方に請求する金額が多ければ多いほど高額になります。医療過誤等の人身傷害事案に詳しくない弁護士に依頼した場合、考えうる損害項目を全て計上して訴訟提起するということもあるようです。しかし、認められる可能性が少ない損害項目を上乗せして請求することは、被害者の方にとって、経済的にマイナスになってしまいます。

もちろん、訴訟戦略や依頼者の方のお気持ちも考慮して、考えうる損害項目全て計上するということもあり得ます。訴訟提起する場合は、この点も含めて、どの程度の金額を請求していくのかということを弁護士としっかり協議をする必要があるのです。

弁護士による法律相談 (交通事故は無料)

0120-920-746
メールでのお問い合わせはこちら

事前にお電話にて相談日のご予約をお願い致します。
傷害事故に遭われた方を一人でも多く救いたいと思っております。些細なご質問でも構いませんので、お電話下さい。
交通事故・損害賠償・後遺障害など、交通事故に関する法律相談は無料です。
交通事故に関する相談は、着手金0円、相談料金0円ですので、まずはお気軽にご相談下さい。