50代男性が、原動機付自転車を運転中に、自動車に追突され、腰椎椎間板ヘルニア等の傷害を負い、12級13号の後遺障害が認定された事案
損傷部位 | 腰椎 |
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傷病名 | 腰椎椎間板ヘルニア |
認定等級 | 12級13号 |
獲得金額 | 1090万円 |
手続き | 訴訟 |
仕事内容 | 会社員 |
事故の状況 | 自転車 |
事故発生からご相談までの流れ
依頼人が、原動機付自転車を運転中交差点に差し掛かり、安全確認のため停車したところ、後続の自動車に追突され、転倒しました。
依頼人は、事故からわずか一か月半ほどで、保険会社から治療費の支払を打ち切られました。そこで、依頼人は慌てて、弊所とは別の事務所の弁護士に依頼をし、治療費支払再開の交渉や、後遺障害認定申請等を行ったものの、いずれも良い結果が出ませんでした。
依頼人は、今後の方針について、この依頼した弁護士と協議をしましたが、方針が合わずに契約解消となってしまい、途方に暮れていました。
このような中で、依頼人は、弁護士法人グレイスは交通事故に強い、との評判を聞いたことで、弊所にご相談いただき、ご依頼くださいました。
相談・依頼のきっかけ
- 自分で保険会社と交渉するのが不安
- 保険会社から治療費の支払いを打ち切ると言われた
- 適正な後遺障害等級の認定が受けられるか不安
- 認定された後遺障害等級に納得できない
当事務所の活動
- 治療費の支払交渉
- 医療機関に対する医療照会、医師面談、後遺障害診断書作成依頼
- 後遺障害認定に対する異議申立
- 賠償金の交渉
- 訴訟
当事務所が関与した結果
サポート無しの場合 | サポート有の場合 | 備考 | |
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入通院慰謝料 | 27万円 | 125万円 | |
休業損害 | 0円 | 38万円 | |
後遺障害慰謝料 | 0円 | 290万円 | |
後遺障害逸失利益 | 0円 | 788万円 | |
その他 | 素因減額15% | ||
合計金額 | 27万円 | 1090万円 |
※各損害項目は千円以下を切り捨てています。
解決のポイント(所感)
依頼人は、後遺障害認定申請の結果が非該当であったことから、弊所は、まず、依頼人が最初の後遺障害認定申請に用いた資料の開示請求を保険会社に行いました。開示の結果、弊所が想定した通り、後遺障害が認定されるために必要な最低限の資料すらも多く欠けていることが分かりました。そのため、依頼人に対し、通院の状況等を確認し、欠けていた資料の収集から業務を開始しました。
また、保険会社は、依頼人に対し、治療費の支払をわずか一か月半で打ち切っていました。保険会社の言い分としては、依頼人のヘルニアの症状は、事故から時間が経ってから出てきたので、依頼人のヘルニアの症状は、事故とは無関係で因果関係がない、とのことでした。そこで、弊所としては、診療録を取り付け、ヘルニアの症状の正確な発症日を確認する等して、事故と因果関係があることを突きとめるべく尽力しました。
全ての資料が揃ったところで、後遺障害非該当の判断に対して、異議申立を行いました。
弊所が、万全を期して臨んだ異議申立では、自賠責保険は、事故と腰椎椎間板ヘルニアとの因果関係を認めました。そして、他覚的に神経系統の障害が証明されるものとして、依頼人の後遺症を後遺障害等級12級13号に認定しました。異議申立においては、後遺障害非該当という結果から、後遺障害12級13号を認定させることは簡単ではありません。しかし、本件では、これを成功させることができました。
その後、この12級13号の認定を元に、相手方保険会社と交渉を開始しました。相手方保険会社は、態度を変えることはなく、因果関係なし、と主張し、その上、追突事故にもかかわらず、依頼人が急ブレーキをかけたためだと、依頼人にも事故発生の責任があるとし、過失相殺を主張してきました。このような相手方保険会社の主張を受け入れることはできなかったため、交渉は打ち切り、訴訟に移行することにしました。
訴訟では、事故直後から争われており、なかなか決着しなかった事故とヘルニアとの因果関係を、弊所の主張通り、因果関係あり、と認定されました。また、保険会社が支払を打ち切った後の治療費についても、請求が認められました。そして、事故態様についても、弊所の主張通り、通常の追突事故であり、依頼人に責任はなく、過失相殺は認められないと認定されました。
もっとも、訴訟提起段階で想定はしていましたが、本件ヘルニアの発症については、依頼人には既往症があり、素因減額(損害の発生・拡大に寄与する被害者の肉体的・精神的要因がある場合、賠償額が減額されることをいいます。)が避けにくい事情がありました。結果としては15%の素因減額がなされています。
本件は、最終的には、約1090万円で訴訟上の和解がなされています。
弊所が介入しなければ、後遺障害の認定は得られず、慰謝料についても、一か月半の治療期間を前提とした金額しか得られない可能性がありましたし、依頼人の不安を取り去ることが出来ない可能性もありました。後遺障害の立証から、訴訟における主張まで、弊所が有する膨大な経験とノウハウの蓄積全てを活用し、適正な賠償金を獲得しました。