歩行中の事故により急性硬膜下血腫、脳挫傷、骨盤骨折、右上腕骨骨折、高次脳機能障害等の傷害を負った20代女性の事案
損傷部位 | 頭部 上肢 骨盤 |
---|---|
傷病名 | 急性硬膜下血腫 脳挫傷 骨盤骨折 右上腕骨骨折 高次脳機能障害 等 |
認定等級 | 併合2級 |
獲得金額 | 6750万円 |
手続き | 訴訟 |
仕事内容 | 給与所得者 |
事故の状況 | 歩行者 |
事故発生からご相談までの流れ
被害者は、信号機のある交差点で横断歩道を渡っていたところ、直進してきた自動車に撥ねられました。被害者は直ちに救急搬送され、急性硬膜下血腫、脳挫傷、骨盤骨折、右上腕骨骨折、高次脳機能障害等の診断を受けました。
後日行われた警察の捜査により、被害者側の信号が赤色であったことがわかりました。
その後、保険会社が治療費を打ち切ったのですが、以後の手続きについてなんらの説明もされなかったため、困惑した被害者が当事務所へご相談にいらっしゃいました。
相談・依頼のきっかけ
- 初めての交通事故で、手続の流れがわからず不安
- 自分で保険会社と交渉するのが不安
- 保険会社から治療費の支払いを打ち切ると言われた
- 適正な後遺障害等級の認定が受けられるか不安
当事務所の活動
- 医療機関に対する医療照会、医師面談、後遺障害診断書作成依頼
- 後遺障害認定申請(被害者請求)
- 賠償金の交渉
- 訴訟
当事務所が関与した結果
サポート無しの場合 | サポート有の場合 | 備考 | |
---|---|---|---|
入通院慰謝料 | 241万円 | 385万円 | |
休業損害 | 240万円 | 375万円 | |
後遺障害慰謝料 | 958万円 | 2370万円 | |
後遺障害逸失利益 | 4302万円 | 7562万円 | |
過失割合 | 70% | 65% | |
既払い額 | 612万円 | 612万円 | |
その他 | 1484万円 | 5478万円 | 左記は介護費用の金額です。この他、遅延損害金および弁護士費用として696万円を獲得しています。 |
合計金額 | 0円 | 4200万円 | 左記(和解金4200万円)の他に、被害者請求により自賠責から2550万円を獲得し、被害者には計6750万円をお届けしています。 |
※「サポート無しの場合」の金額は、訴訟提起前に保険会社から提示されていた賠償金額です。
解決のポイント(所感)
ご相談の時点で重篤な高次脳機能障害が残存していることが判明していたため、医師に診断書や意見書等を作成していただくよう依頼しました。また、弁護士が医師と直接やりとりを行いながら、適切かつ必要な検査を実施してもらいました。
また、本件は、警察が被害者側の信号機が赤色であったと認めていることから、自賠責保険で重過失減額が認定され、2割の過失相殺が適用される可能性が高い事案でした。そのため、まずは刑事記録を取り寄せ、事故の詳細を分析することから始めました。その結果、自動車側に約10キロの速度超過があることが判明しました。
これらの立証活動をもとに、資料を作成し、自賠責保険へ後遺障害の被害者請求を行いました。認定結果は、併合2級(高次脳機能障害で3級、肩関節の機能障害で11級)でした。また、重過失減額もされることはなく、自賠責保険からは満額の賠償金が支払われました。
他方、加害者側の任意保険会社の言い分は、被害者側に7割の過失があるため、被害者の損害はすでに自賠責保険金で補填されており、よって加害者側の任意保険会社からは1円も支払わないというものでした。
当事務所は交渉の余地なしと判断し、直ちに訴訟を提起しました。
訴訟においては、後遺障害逸失利益算定のための基礎収入額、将来の介護費用が主な争点になりました。
まず、後遺障害逸失利益算定のための基礎収入額について、加害者側の保険会社は事故前年の年収を主張してきましたが、当事務所では被害者が若年であり将来年収が上昇する可能性が高いこと等を主張しました。最終的には、裁判所に女性の平均賃金を基礎収入額とすることを認めてもらっています。
また、将来介護費用については、加害者側の保険会社は、実費である日額2000円ほどで算定すべきという主張をしてきましたが、当事務所では被害者に見守り等が必要であることや将来的に在宅介護が必要になりうること等も主張し、最終的に、裁判所に日額8000円を認めてもらっています。
訴訟提起前の相手方保険会社提示額は0円でしたが、最終的に、相手方保険会社が依頼人に4200万円を支払うという内容で訴訟上の和解が成立しています。
当事務所は、重度後遺障害事案の実績も豊富にあり、適正な賠償金を獲得するためのノウハウも蓄積されています。
重度後遺障害でお悩みの方は、是非とも当事務所までご相談ください。