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会社員または公務員であるあなたは、交通事故でけがをしました。

仕事を休んで収入が減ることは避けたかったので、病院への通院は、有給休暇を利用しました。

また、後遺障害が残りましたが、同僚に迷惑をかけないよう、痛みをこらえて人一倍仕事に励んだ結果、事故前と同じような成果を出し続けており、職場も一定の配慮をしてくれているので、今のところ、事故前と比べて減収はされていません。

このような場合に、保険会社に、「有休を取得していて仕事を休んでいないので、休業損害は支払ません。また、減収がないので逸失利益の賠償はしません。」と言われた場合、本当に賠償を受けることができないのでしょうか。

 

休業損害とは、交通事故によるけがやその治療のために仕事を休んだり、十分に働くことができなかったことによる減収のことです。

また、逸失利益とは、事故による後遺障害により、事故以前に比べて労働能力が減った結果、将来的に収入が減ることをいいます。

そうすると、仕事を休んでおらず、減収もない以上、保険会社の言い分は、一見正しいとも思われます。

しかし、まず、有給休暇を使った場合でも、休業損害の賠償を受けることができます

本来であれば自分の休暇のために使うことができた休みを、事故による治療のために消化してしまったので、その分の損害が生じたと考えることができるからです。

また、減収がなくても、裁判所は、一定の事情がある場合には、逸失利益の賠償を認める可能性があります。

その事情とは、たとえば、後遺障害が残り、仕事のパフォーマンスは落ちたものの、被害者が人一倍努力した結果、事故前の収入を維持することができた場合や、雇用主の特別な配慮により一時的に減収を免れている場合、あるいは、後遺障害があることにより、今後の昇給や転職などに不利益が生じることが見込まれる場合などです。

このような場合にまで、減収がないから逸失利益の補償はしないというの被害者にとって酷ですし、何よりも被害者本人の努力で減収を回避できている場合に、逸失利益の賠償を加害者に免れさせる必要はないからです。

どのような場合に休業損害が補償されるかや、補償されるとして適正な金額はいくらなのか、あるいは、どのような事情があれば逸失利益の賠償を受けられるのかということを的確に判断するためには、専門的な知識が必要です。これがないまま保険会社との示談が成立すると、適切な額の賠償を受けられない可能性があります。

また、示談交渉の段階でこれらについて適切に主張することができれば、早期の段階で保険会社を説得でき、裁判にいたらないでも、適切な額の休業損害、逸失利益を獲得して解決することも多いです。

まずは一度、交通事故に詳しい弁護士に相談してみてください。

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