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2024年6月25日

ペットと散歩している際に、交通事故に遭い、不幸にもペットが亡くなった場合、いかなる損害の賠償を相手方に求めることができるのでしょうか。
まず、ペットが死亡したことによる財産的損害について、請求を認めている裁判例があります。財産的損害を認める裁判例では、購入価額を平均寿命で割った価額に、平均寿命までの残年数をかけて算出している例が多くみられます。
次に、慰謝料請求について、ペットは法律で「物」として扱われている点が問題となります。原則として、物的損害に対する慰謝料請求は認められません。しかし、裁判所は、ペットの死亡による飼い主の精神的苦痛は、社会通念上、合理的な一般人の被る精神的損害であるとして、例外的に慰謝料請求を認めています。慰謝料額は、飼育期間や飼い主との関係性、事故態様など様々な事情を総合的に考慮して定められますが、概ね10万~50万円の幅で認定がなされています。
葬儀費用については、これまで損害として認められることは少なかったようですが、近年では業者に依頼して死亡したペットを弔うことは相当程度普及している習慣であるとして、葬儀費用も損害として認められつつあります。
なお、リードを付けていなかったなどの事由があると、過失相殺で損害額が減額されることもあります。ペットの安全のためにも、適切な形式での散歩を心がけていただきたいと思います。

【著者情報】

企業法務部 部長 東京弁護士会(弁護士登録番号:47893)

獨協大学法務研究科(法科大学院) 修了

2013年より現在弁護士法人グレイスで勤務

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