事案
【属性】
性 別 女性
年 齢 30代
子 供 あり
職業(依頼者) 会社員
職業(相手方) 会社員
婚姻期間 2年
争 点 親権
手 続 審判前の保全処分、子の監護者指定・子の引渡し審判
地 域 (鹿児島)
【事案の概要】
夫の実家で夫の実母らと同居していたが、夫の日常的なモラハラにより、自殺したい衝動に駆られて、子を置いて別居してしまった。
その後、冷静になって子を迎えに行くと夫に告げるも、育児放棄をしたとして、「子は渡さない」「親権はゆずらない」と言われてしまった。どうしても子の親権を取りたいがどうしたら良いのかわからないため、弁護士に相談したい。
以上のような経緯でご相談・ご依頼となりました。
【モラハラの内容】
・「お前は何もしていない」「これくらいのことは出来て当たり前」「お前は一人では何も出来ない」等といった人格否定発言
・何か気にくわないことがあるとすぐに大声を出す、目の前にある物を投げる、壁を穴が開くまで殴り続ける
解決
【解決までの流れ】
まずは、ご依頼をいただいて1週間程で審判前の保全処分、子の監護者指定・子の引渡し審判を申立てました。
そして、上記手続と併行して、夫と連日にわたり電話やショートメッセージ等でやりとりを行い、都度夫にとって不利になる証拠を収集し、その証拠とともに主張書面を提出する等して、夫が子の監護者として不適切であることの主張を続けました。
その結果、裁判所からも子の引渡しが認められるのではないかとの心証が出てきて、夫に子の引渡しをしなければならないかもしれないと思わせることが出来ました。
そして、最終的にご依頼いただいてから3か月程で、任意に子を引渡してもらうことが出来ました。
【弁護士の視点】
子の引渡しは、子が現在の環境・状況に順応してしまうと、子を引き渡すように求めることが子に更なる負担を強いることになるため、子が現在の環境・状況に順応する前に、可及的速やかに申立をすることが重要になります。
また、本件は、既に子を置いて単身別居してしまったため、非常に厳しい事案でした(実際に、別の弁護士事務所ではあきらめなさいと言われたようです。)。もっとも、夫のモラハラ加害者特有の嫌がらせ行為等を逆手にとることで、任意での子の引渡しに成功することが出来ました。