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事案の概要

20代の専門学校生がバイクに乗車し交差点を直進進行していたところ、相手方が右折をしてきたため衝突し、右膝蓋骨開放骨折、前額部挫創、歯牙破折などの傷害を負い、右肘神経症状14級9号、右膝関節機能障害12級7号、歯牙破折12級3号、外貌醜状12級14号の評価がされ後遺障害等級併合11級が認定された事案

 

ポイント

今回、事故の争点は多岐に渡りますが、判例集に掲載されたポイントとしては、
①専門学校生の基礎収入額について男性大卒平均賃金センサスを採用、
②労働能力喪失率20%の認定だと考えております。

 

解説

1.専門学校生被害者の年収(基礎収入額)について

今回、問題となったのは後遺障害逸失利益を算定する際の「基礎収入額」をいくらと設定すべきかという問題です。

多くの裁判例においては、学生など交通事故前年の収入が算定できない者については、厚生労働省が作成する統計「賃金センサス」を利用することが多いです。そして、賃金センサスを基礎に年収450万円から500万円前後が認定されています。

そんな中で、今回は賃金センサス大卒平均賃金662万6100円と判断されたことが判例集掲載の最大のポイントだと考えております。

裁判の中では、被害者の専門学校における専門性の高い知識、技術や大学院への進学の可能性、卒業後の収入水準などを個別具体的に主張・立証することによって認定を獲得しました。

2.労働能力喪失率20%の獲得

類似する裁判例において、外貌醜状と膝可動域制限について併合11級が認定されたものの労働能力喪失率14%と判断されたものがあります(自保ジャーナル2062号 福岡高裁令和元年11月19日)。

今回は、被害者は人口の歯を入れたことにより言語聴覚士の仕事に影響があるということを主張・立証し労働能力喪失率20%の判断を獲得しております。

 

所感

交通事故事件の多くの案件は「交渉」で解決をしています。他方で、訴訟を選択することで賠償金額が増額する案件も多いという印象です。

本件については、相手方共済保険が331万円を示してきた件になりますが本判決内容では総額約3165万円(遅延損害金を除く)となっています。
弊所の事故・傷害部では、圧倒的な交渉力だけでなく、有益な裁判例を作り出す専門性を持ち合わせていると考えております。

是非、交通事故に遭ったら弁護士法人グレイスの無料相談へご連絡下さい。